【トーク】
−中央競馬に物申す−


視点の違い

 4月から12月の土曜日に行われていた日曜日の重賞レースの前日発売及び、 日曜日に発売する全レースの夜間発売が、今年から通年化された。売り上げ 減に歯止めがかからない現状を打破するための策であるのは間違いなく、確 かに前売り分の売り上げは伸びるだろう。しかし、「前売りで購入したから、 日曜日は競馬場(もしくはウインズ)へ行かなくてもいいや」と思う人も当 然いるだろう。そういう人が、競馬場やウインズに行ったついでに買う数レ ース分の売り上げが減ることになる。これが起死回生の策になるとは思えな いが、何とかしようとする意欲は買いたいところ。手をこまねいていても、 売り上げは下がるばかりだからだ。景気の回復を座して待つのは下策だろう。  さて、この通年化で問題になってくるのが、開催中止になった場合の対応。 現在、降雪や台風の場合は、前日発売及び夜間発売を中止することになって いる。開催か中止かの判断はJRAが考えることなのでいいのだが、例えば 前日発売をすでに行っている時に開催中止を決定した場合、勝馬投票券はす べて返還(買い戻し)となることが問題になる。  確かに、競馬に占める枠順の有利不利は大きく、その観点からいえば出馬 再投票を行うのは妥当かもしれない。しかし、前売り(夜間発売)と当日発 売とを比べると、売り上げの比率は圧倒的に当日発売の方が高いはず。すで に枠順が発表されているということは、競馬新聞及び一部のスポーツ紙がす でに前日に発行されているということで、それを手に取ったお客は、使えな い新聞をつかまされたことになる(スポーツ紙の場合はほかに記事があるの でまだ救いはあるが)。どちらの被害が大きいかといえば、出馬投票をやり 直した時だろう。書き手である私がこの業界の人間だからということを割り 引いても、である。  どちらにせよ、一長一短がある前売り。開催ができないほどの被害が出る かどうか予測することは難しく、また予測されたとしても、さまざまな影響 を考えると思い切って発売中止に踏み切れるのかどうか。万が一の場合のJ RAの判断が問われることになる。